自由とか愛とか幸せとかについての詩が走ってたら思い浮かんだ

空に昇っていく風船は、何にも縛られることなく、ゆらりゆらりと揺れながら、小さくなって、最後には透明になって、地上からは見えなくなった。あの子の手にある風船は、あの子の手からは遂には離れることはないけれど、それでもあの子は風船を持っていないときより可愛いし、風船もあの子の隣でより美しく、僕には見える。

君は野生の動物を飼おうとするべきではないというけれど、野を駆け空を舞いたいというけれど、君のいう野生の鳥、まさにその鳥は実は子供達の餌を求めて奔走し、巣に帰っているところだった。でも僕には、その鳥は少なくとも君よりは美しい生を生きていると思えるんだ。

君は彼を麓に残し、高みを目指せと意気込んで、1人崖を登り始める。その時君の目には彼は、挑戦を拒む、弱き者に映るだろう。さて、君は君の登る山の頂が見えたところで、強風と吹雪に打たれながら、もはや登れなくなるだろう。その時君は、隣の山に彼を見出す。彼は先を行く者を支え、続く者を引っ張り上げ、また彼も支えられ引き上げられるのだ。その時君ははじめて、自分が登っている山が天に届く神の山嶺ではなく、幻想だということに気づくだろう。彼は雲の、さらにその上へと登っていく。